人材開発マネジメント雑学 第96回

労務管理上の経営課題と労務監査の必要性(その24)

3.労務監査の必要性と実施方法

(1) 労務監査の必要性

前回は労働契約法の施行は重要で、同法が施行されるまで判例法理によって裁判などの判断の基準にされてきましたが、同法により、今までの判例法理が明文化されたこと、企業は労働基準法や労働安全衛生法などだけでなく、労働契約法に関しても十分に斟酌することが大切であることをお話しました。

しかし、企業特に中小、小規模企業と規模が小さくなる程、経営者がこれらのことに無知であったり、無頓着であったりすることは多いようです。企業であるからにはどのような小さな企業(組織)であっても社会的責任は存在します。

例えば、「使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければならない。(労働基準法第20条)」と定められていることから、30日前に予告するか解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払えば自由に解雇することができると考えている経営者が多いのです。

しかし、「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。(労働契約法第16条)」と定められているので、合理的な理由がないか、社会通念上相当でない場合はその解雇は無効となってしまうのです。

このようなことが起こらないようにも、企業は日頃から労務コンプライアンス上問題がないか自社をチェックしておく必要があります。このチェックが労務監査だと言えます。

一旦、トラブル(個別労働関係紛争)が起きると、企業の発展にストップをかけてしまいます。それを未然に防ぐために企業自身による、 労務コンプライアンスに関するリスク管理は益々重要となってきています。 特に、労働契約法の施行は重要です。同法が施行されるまで判例法理によって裁判などの判断の基準にされてきましたが、同法により、今までの判例法理が明文化されました。企業は労働基準法や労働安全衛生法などだけでなく、労働契約法に関しても十分に斟酌することが大切です。次回は労務監査の必要について書きます。

(2) 労務監査とは

一般的に監査とは「経営目標の効果的な達成のために、合法性と合理性の観点から経営活動を評価し、提言・勧告を行うこと」であると定義されています。

一般的に知られている言葉に、会計監査があります。会計監査は「経営活動における経営資源のうち、資本の運用結果について」の監査と言えます。

企業を動かすには「ヒト、モノ、カネ」が必要とされていますが、そのうちの資本に該当する「モノ、カネ」を中心に評価し、提言・勧告を行うこととなります。

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