ビッグデータの活用術

ここ数年の企業IT関連のキーワードとして、2011年より「ビッグデータ」というものが急速に注目され始めてきました。皆さんは、ビッグデータをご存知ですか?

【ビッグデータとは】

「ビッグデータ」とはそのままの意味で解釈すれば巨大なデータとなります。しかし残念ながらその共通定義はまだ定まっていません。例えば日本IBMでは「ICタグなどのセンサー、ソーシャルメディアに掲載された投稿、インターネット上に保存されたデジタル写真、ビデオ、携帯電話のGPS信号など、さまざまなソースにおいて、日々大量に生成されているデータを総じて“ビッグデータ”と呼ぶ。」と定義づけられています。

【祇園祭を進化させる?!

その日本IBMが、ビッグデータを活用して、大規模イベント開催時の街全体の交通渋滞緩和などを実現するシミュレーションの作成を開始しました。題材として選んだのは、夏の京都に欠かせない日本三大祭りのひとつ「祇園祭」。日本IBMによると「Twitter」でのつぶやきなどを含めたさまざまな情報を組み合わせて、人の移動をスムーズにし、交通渋滞の緩和にもつなげようという先進的な取り組みであり、最終的には市内を走るバスの増便までをもコントロールするそうです。

【リアルタイムに視覚化すること】

では仕組みはどうなっているのでしょう。まずは同社が持つ数値気象予測システムを使い都市近郊の天候を予測し、また過去の統計から、天候によって変化する観光客の数や自動車の交通量など、当日の交通需要を予測。しかしこれだけでは、従来の手法に近いものになってしまうところですが、
日本IBMのすごいのはこれに複数の仕組みを組み合わせてより精度を高め、対策へとつなげていくところです。同社が有する交通シミュレーターでは数千万台規模の交通を再現することができ、1台ごとに異なる行動特性を持たせた車を仮想上の道路で走らせ、さまざまな渋滞の発生などを予測できます。特徴的なのは、ここにソーシャルメディアの情報を取り入れる点です。IBMのテキスト分析の技術を用い、市内のどのエリアにいる市民や観光客が、ソーシャルメディアで何をつぶやき、その感情はポジティブなものか、ネガティブなものかといったことをリアルタイムに視覚化します。ネガティブな情報が多いエリアは赤く表示され、交通渋滞やバスが来ないことにイライラしている人が多いことがわかり、ポジティブな情報や、影響がない情報が多い地区は、白いままです。人から発信される情報によって、人が置かれている状況をリアルタイムで認識し、対策を講じることができるというわけです。(日経トレンディネットより)