節税保険に関する改正通達案の概要!!

先日、国税庁が第三分野保険など、いわゆる「節税保険」の保険料の法人税法上の取扱いに関する通達改正案についての意見公募手続(パブリックコメント)を実施することが公表されました。。

今回の通達改正案では、保険商品の類型ごとに保険料の損金算入の取扱いを定めている現行の個別通達を廃止し、

最高解約返戻率の区分に応じて損金算入できる割合を定める取扱いとすることとされています。

 

1.意見公募手続(パブリックコメント)とは!??

意見公募手続(パブリックコメント)とは、行政機関が命令等(政令、省令など)を制定するにあたって、

事前に命令等の案を示し、その案について広く国民から意見や情報を募集する制度をいいます。

 

2.第三分野保険とは!??

第三分野保険とは、生命保険(第一分野)と損害保険(第二分野)の中間に位置する保険のことで、

医療保険、がん保険、介護保険、障害保険などさまざまな種類の保険がこれに該当します。

 

3.通達改正の背景

現行の各個別通達では、長期平準定期保険等については支払保険料の一部を資産計上することとされています。

しかし、生命保険各社はそれらの個別通達に該当しないように保険商品を設計し、

①保険料支払い時にはその支払った保険料全額を損金算入できる一方で、

②中途解約時には払込保険料の80%超を解約返戻金として受け取れるという保険商品を、節税効果が高い保険(節税保険)とPRして販売を続けていました。

しかし、そのような保険商品については、

①保険会社各社の商品設計の多様化や長寿命化等により、それぞれの保険の保険料に含まれる前払部分の保険料の割合にも変化が見られること、

②類似する商品であっても個別通達に該当するか否かで取扱いに差異が生じていること、

③前払部分の保険料の割合が高い同一の商品であっても加入年齢や保険期間の長短により取扱いが異なること、

④第三分野保険のうち個別通達に定めるもの以外はその取扱いが明らかではなかったことから、税務上の取扱いの見直しが図られることとなりました。

4.通達改正案の概要

(1)原則的な取扱い

定期保険及び第三分野保険の保険料に関する原則的な取扱いは、

第三分野保険の保険料は危険保険料及び付加保険料のみで構成されており、その保険料の構成は定期保険と同様と認められることから、

従来の定期保険の取扱いに第三分野保険の取扱いを加え、これらの保険料に含まれる前払部分の保険料が相当多額と認められる場合を除いて、期間の経過に応じて損金の額に算入することとされています。

(2)定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱い

定期保険等の保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる場合の取扱いは、法人が、自己を契約者とし、

役員又は使用人等を被保険者とする保険期間が3年以上の定期保険又は第三分野保険で最高解約返戻率が50%を超えるものに加入して、

その保険料を支払った場合には、課税所得の期間計算を適正なものとするため、その支払った保険料の額については、最高解約返戻率に応じて取り扱うこととされています。

なお、上記の改正は、改正通達の発遣日以後の契約に係る定期保険又は第三分野保険の保険料について適用することとされています。

このため、改正通達の発遣日前の契約に係る保険料については遡及適用されないこととなります。

[参考]
法基通9-3-5、e-Govパブリックコメント意見募集『「法人税基本通達の制定について」(法令解釈通達)ほか1件の一部 改正(案)(定期保険及び第三分野保険に係る保険料の取扱い)等に対する 意見公募手続の実施について 』など